アンケートの秘密>『少年マガジン』

これまでの研究成果をお伝えするページです。
更新日:1999/10/18
更新内容:新規
●第1章● 首位奪回の秘密
1959年に少年マガジン、少年サンデーが創刊。昭和43年に創刊された少年ジャンプは、新人マンガ家の採用と、読者アンケートの徹底利用で、人気のないマンガは10週で打ち切りという手法で部数を伸ばし、1973年に首位に立つ。
朝日新聞は 1988.12.13 夕刊 15頁の報道で、
「少年もの4誌で1000万部時代」
マンガ週刊誌『少年ジャンプ』(集英社)が、19日発売の「新春3・4合
併号」で、500万部の大台を突破する。[中略]『少年マガジン』(講談
社)も245万部、『少年サンデー』(小学館)は140万部、『少年チャ
ンピオン』(秋田書店)は120万部[中略]マンガ週刊誌は昭和34年に
『少年サンデー』『少年マガジン』が相次いで創刊[中略]『少年ジャンプ
』は、20年前の昭和43年7月、先行2誌から10年おくれて創刊した。
45年末に100万部、54年に300万部に達して、他誌を圧倒。独走を
続け、59年末に400万台を記録していた。
と伝えている。一時は300万部以上引き離された少年マガジンだったが、次
第に回復した。これも朝日新聞は1996.04.04 朝刊 19頁で、
出版関係者によると、「ジャンプ」の部数はこの一年間で六十万部近く減っ
たといわれる。[中略]新年号でさえ六百万部を割り込み、五百八十万部台に
なったようだ。
一方の「マガジン」。このところジワジワと部数を伸ばし、ついに四百万部
台に乗せた。[中略]出版関係者からは「この調子だと、三年後はどうなるか
わからない」という声も聞かれる。
『ドラゴンボール』終了と『金田一少年の事件簿』人気と分析されていたが、3年どころか、1年半で劇的瞬間は訪れた。朝日新聞は1997.07.28 夕刊のトップで以下のように報じた。
漫画界の「政権交代」が目前に迫っている。一時は週刊六百五十三万部を記
録するなど、二十四年間トップを突っ走ってきた「少年ジャンプ」(集英社)
が急激に部数を落とし、二位の「少年マガジン」(講談社)とほぼ並んだ。

1998年2月25日発売のマガジン(13号)は「日本一記念大スペシャル号」と表紙に刷り込まれ、付録のポスターには歴代のマガジンの表紙を収録している。ここでは1997年49号が発行部数日本一になった号、1998年4・5号が最大発行部数445万部達成号と誇らしげに紹介している。
この奪回劇には、新聞各紙も分析しているし、ジャンプの減少の原因は、人気連載の終了、少子化、娯楽の多様化、ポケットモンスターを擁するコロコロコミックの侵攻などと分析されている。が、少年マガジン増進については分析がなされていない。それらの原因なら、少年マガジンだって部数を落として当然ではないか?
私は少年マガジンの「アンケート」からこの交代劇を考察していきたい。
それにしても、朝日新聞は少年マンガ誌の動向を詳しく報道している。検索してみると、読売、毎日より記事が多くて詳しいのだ。朝日新聞社内には少年マガジンの専任がいるようだ。
●第2章● 微に入り細をうがったアンケート
現在は、見開き2ページで、プレゼントをドーンと紹介している。
プレゼントはたいていはテレビゲーム本体、新作ソフト、CDラジカセ、アイドルテレカ、写真集等で、そのほかはスニーカーやGショックなど、旬の流行りものが並ぶ。それらの商品は、他のマンガ雑誌のプレゼントと大差ない。
質問項目は向かって右ページの1/3を使い、項目は10個程度である。
だが、選択肢が異常に細かく、これが他の雑誌にはない特徴である。マガジンは、3月と7月に超アンケートを行っている。
これは、5ページにわたる長大なもので、ハガキも専用のものが綴じ込みになっている。
〔アンケート引用時の諸注意〕
アンケートの締め切りは原則として発売日の10日後となっている。
また、表紙に刷られている発行日は、発売日の2週間後となっている。
以後、引用するアンケートには、アンケートのページに明示された、締め切り日を表示していくことにする。
[A]、[B]、[C]・・・はアンケートの中の質問番号。
従って、10番目の質問は[J]となる。
では実例を一つ。
【少年マガジン アンケート1996年 しめきり/7月13日】
[4]週刊少年マガジンの全連載漫画について質問します。
質問[1]の番号で答えを1つずつ選んでください。
(今週休載の『特攻の拓』=(23)、『マラソンマン』=(24)、『レッツぬぷぬぷ』=(25)、『カメレオン』=(26)として答えてください)
[A]最近おもしろくなってきた漫画は?
[B]最近マンネリだと思う漫画は?
[C]一番感動した漫画は?
[D]一番笑えた漫画は?
[E]一番読みごたえのある漫画は?
[F]絵に一番魅力のある漫画は?
[G]もっとページ数を増やしてほしい漫画は?
[H]ストーリーの展開をもっとはやくしてほしい漫画は?
[I]内容がむずかしいと感じる漫画は?
[J]マガジンに載っていなくてもよい漫画は?
単なる人気投票ではなく、ページ数、展開スピードや読み易さまで問うので
ある。
さらに、「マガジンに載っていなくてもよい」という問いには、よそで通用しても、マガジンには通用しないマンガがある。
そんなものはいらないという意志表示であり、これに選ばれたマンガ化はかなりショックであろう。
●第3章● 新作開発これからのストーリー決定
まずは以下のアンケートを読んでいただきたい。
【少年マガジン アンケート1996年 しめきり/11月9日】
●動物マンガについて質問します。
[F]マガジンで新しく動物を題材とするマンガが連載されるとしたら、どんな話を読んでみたいですか? 次の中から1つ選んでください。
(01)1頭の犬に率いられた野犬の群が、リーダー犬によってその能力を最大限に発揮し、住みかを奪おうとする人間たちと戦うストーリー (02)別荘地に置き去りにされた飼い犬たちが、自分たちの命を狙う恐ろしい野犬たちに対して力を合わせて戦うストーリー (03)ドジな新前獣医の女の子が、患者である動物や飼い主たちとのふれあいの中で失敗を繰り返しながら成長していく感動ストーリー (04)警察犬訓練士となった犬嫌いの主人公が、訓練を通して悪戦苦闘しながら犬の魅力に目覚めていく感動ストーリー (05)何者かに命を狙われているかわいい犬を、ひょんなことからかくまうことになった4人組の仲間や犬との友情ストーリー (06)犬として生まれ変わった主人公の目を通して、動物や人間の生活を描くほのぼのギャグコメディ (07)江戸時代に忍者犬として育てられた犬が、忍術を駆使して敵と戦うアクション・ストーリー
この設問は、おそらく佐々木倫子「動物のお医者さん」の人気に注目し、動物マンガの開発を目指したものであろう。
選択肢(03)はズバリそれである。現在、これに相当した連載はなく、連載としての開発には至らなかったようだ。しかし、選択肢(04)に類似した話は「ドキュメント・コミック」の分野で開発されている。
選択肢(01)はジャック・ロンドンの小説「荒野の呼び声」を意識したものであろうし、選択肢(02)は映画「南極物語」を元にしている。
選択肢(06)は落語「もと犬」の逆。(03)以外は犬を直接扱っている。
犬はマンガ化のネタにしやすいもののようだ。選択肢(07)の忍者犬というと、「忍者ハットリくん」のシシ丸
を思い出してしまう。白土三平の忍者物のような路線も考えていたのだろう。
選択肢(05)では、犬をかくまう仲間が4人と人数まで決まっていて、ストーリー開発がかなり進んでいたことをうかがわせる。
◆新連載のフォローと今後のストーリー
以下のアンケートを読めば、少年マガジンが新連載マンガのストーリー展開に
おいて、アンケートを活用していることが分かる。
【少年マガジン アンケート1996年 しめきり/10月5日】
●新連載『蒼き神話マルス』について質問します。
[H]『蒼き神話マルス』に今後、どんな展開を期待しますか?
(01)マルスが馬守とともに成長し名馬になっていくサクセスストーリー(02)サラブレッドと人間が織りなす感動的な物語 (03)マルスがいろいろな敵と勝負をくりひろげるわくわくするような物語 (04)馬守が多くの名馬で大レースを次々に制していく騎手・馬守の成長ストーリー
他誌も載せてる競馬マンガ、さて黒馬物語でいくのか、優駿でいくか、勝ち抜き戦重視でいくか。
さすがに「マキバオー」路線は選択肢になかった。
【少年マガジン アンケート1998年 しめきり 1月17日】
●新連載『永遠の詩』について質問します。
[H]今後読みたい展開を次の中から1つ選んでください。
(01)永遠が仲間たちと自分の族をつくつて抗争していく話 (02)永遠が最速の族として走り屋と渡り合っていく話 (03)永遠が走り屋としてケンカ族と単独で渡り合っていく話 (04)永遠が最大族の頭となって横浜をまとめあげていく話
【少年マガジン アンケート1998年 しめきり 1月31日】
●新連載『G-HARD/ジハード』について質問します。
[H]主人公、そして敵のキャラクターに使って欲しい武器は何ですか?次の中から1つ選んでください。
(01)素手 (02)ナイフ類 (03)刀や槍(04)ライフルかマシンガン (05)拳銃(06)身近にある生活用品(靴、カサ、洋服など)
[I]主人公に乗って欲しい乗り物は何ですか? 次の中から1つ選んでください。
(01)馬 (02)バイク (03)車 (04)戦闘機 (05)戦車 (06)モーターボート(07)ローラーブレードやスケボー (08)スキーやスノーモービル
どの選択肢も例が具体的である。新連載時に、すでに相当長いのストーリーを、しかも複数考えてあるのだ。そして、惜しげもなく手の内をさらしているようでもある。どんな読者の要求にも応えられるというマガジン編集部の自信を感じとることができる。
私は、このアンケートと新連載マンガを読み比べ、マンガ家の持っていきたいストーリー、アンケートで人気の高まるであろうストーリーを予想し、そして私の考える「こうなればいいな」というストーリーと、あわせて3のストー
リーを考えることにしている。
そしてその後の連載を見守ることにしている。
こうすると、1本の連載マンガが何倍にも楽しめるので、皆様にもお奨めす
る。
●第4章● カラーグラビア企画
大伴昌司の活躍した1966年以来、少年マガジンはカラーグラビア企画にも力を入れてきた。
もちろんそのテーマもアンケートしている。
【少年マガジン アンケート1997年 しめきり/3月22日】
[9]マガジンのカラー記事で読んでみたいと思うものを次の中から1つ選んでください。
(01)テニス/マルチナ・ヒンギス躍進レポート (02)K−1/アンディ・フグ必殺技公開! (03)競馬/福永祐一&武幸四郎、若手対決グラフ (04)サッカーW杯への道・特別取材 (05)野茂・長谷川・鈴木、大リーグ活躍選手リポート (06)ダイエー・井口忠仁、新人王日誌 (07)ゴルフ/タイガー・ウッズ、驚異の新星 (08)エコロジー特集、屋久島を守れ! (09)証言特集・日本オオカミはいる! (10)ライブレポート・Puffy (11)人気漫画家が対談! 相川七瀬 (12)ライブレポート JUDDY AND MARY (13)キミも超能力が!? サイコメトリーカード (14)BOYS BE… 恋占いカード (15)ダカールラリー優勝・篠塚健次郎の全て (16)スター・ウォーズ新シリーズの撮影現場取材 (17)シューズ&ファッション最新情報 (18)MMR特別取材・スフィンクスの謎を新資料で解明!
【少年マガジン アンケート1997年 しめきり 5月2日】
最近、興味のあることについて質問します。
[I]次の中で今、いちばん興味のあること、または好きなことを3つ選んでください。
(01)NBA (02)大リーグ (03)Jリーグ (04)日本のプロ野球 (05)K-1などの格闘技 (06)マリンスポーツ (07)部活など自分でやるスポーツ (08)小室哲哉系の音楽 (09)その他の日本のロック&ポップス (10)洋楽 (11)自分でバンド (12)女の子タレント (13)プラモ (14)軍隊・サバイバル (15)アウトドア (16)ゲームセンター (17)パソコン (18)プレステ・サターンなど家庭用ゲーム (19)ギャンブル (20)男女交際 (21)バイク (22)クルマ (23)海外旅行 (24)カラオケ (25)ヤクザ (26)暴走族 (27)漫画 (28)アニメ (29)映画 (30)カメラ (31)ファッション (32)オカルト・超常現象
選択肢の流れは、スポーツ→音楽→芸能→趣味(プラモ、ゲーム・・・)と流れ、トリがMMR。
5月しめきりのアンケートは夏に向けマリンスポーツも選択肢入りを果たした。
そして男女交際が選択肢(20)と、突然現れる。「ポパイ」など、男女交際推進雑誌や、「ヤング〜」など性描写やコギャル写真のページの多い青年マンガ誌とは一線を画していることがわかる。
漫画が(27)で、それ以後の選択肢が急にオタク傾向が強まる。マガジンはマンガオタクをメインマーケットにする気はないことも分かる。マンガオタクだけを相手にしていては、400万部は売れない。
【少年マガジン 超アンケート1998年 しめきり/3月20日】
[6]マガジンのカラー記事を読んでみたいと思うものを次の中から1つ選ん
でください。
(01)サッカー/W杯直前報告!! (02)アイスホッケー/NHLスタープレーヤー大特集 (03)有名人体験談、本当にあった恐い話 (04)マガジンが選んだK-1必殺技ベスト10 (05)野球/野茂、吉井、伊良部、大リーグ選手レポート (06)NBAスーパープレー集 (07)ライブレポート、GLAY (08)競馬/春のGIレース直前報告 (09)野球/巨人・高橋 新人王日誌 (10)釣り/最先端ルアーフィッシングテクニックの全て (11)ライブレポート、SPEED (12)マガジンの人気漫画家一日密着取材 (13)オートバイ/世界で活躍するライダーたち (14)格闘技戦国時代、最強は誰だ!? (15)「哲也」が教えるマージャン必勝法 (16)プレゼント企画付き・最新スニーカー図鑑 (17)噂のCM美少女大特集 (18)人類の危機!!ダイオキシン被害の実態 (19)サーフィン、ボディボードなどマリン・スポーツ大特集
最新の超アンケートでは、選択肢の流れは、スポーツ→音楽→芸能→趣味という流れは踏襲しているが、より具体的にネタを提示しているので、選びやすい。

マガジン自身のネタとして、(12)マガジンの人気漫画家一日密着取材や(15)「哲也」が教えるマージャン必勝法が掲げられているが、選択肢後半である。マガジンは、自分自身をネタにするのを強く推進していない。オタク化を防ぎたいのであろう。
とにかくネタは集めてある。
リサーチも政治、社会現象からスポーツ、芸能、ファッションその他、多岐に
わたり調査チームがいるようである。
自社刊行物に限らず、スタッフはマンガだけを読んでいるわけではない。
よく、雑誌連載の「マンガ教室」などに、
「まんがだけを読んでいては良いマンガは書けない」
と書いてあったりして、視野を広くして、テーマを選べ、そうしないと面白いマ
ンガにならないぞ、という記述があるが、マガジンの編集者は自ら実践し、カ
ラー記事でもドキュメントコミックでも様々なテーマを選んでいるし、それらの
テーマを着々とマンガ化してきたという自信もある。
最近、小学館のマンガ誌はどれもとてもつまらない。小学館の編集者は、自社
のマンガしか読んでいないように感じるのは私だけだろうか?
格闘技は、連載マンガとジャンルが重なるので、それに関するアンケートも
単独に行われた。
実に詳細である。
【少年マガジン アンケート1997年 しめきり/7月26日】
[9]格闘技について質問します。
[B]マガジンの格闘技特集で読みたいものを1つ選んでください。
(01)グランプリ直前報告!K-1のすべて (02)アンディ・フグ必殺技公開 (03)目指せK-1戦士!本誌読者、練習メニューに挑戦 (04)マガジンが選んだ必殺技ベスト10 (05)アルティメットの正体 徹底分析 (06)グレイシー柔術/秘伝技に迫る (07)橋本真也 その強さの秘密 (08)前田日明 ザ・ヒストリー (09)船木誠勝 秒殺技のすべて (10)みちのくプロレス徹底追跡 (11)山下てつお先生の相撲部屋1日入門
格闘技ファンなら、すべて読んでみたい特集ではないだろうか。1冊まるごと格闘技特集号をつくれるぐらいのボリュームだ。これだけのリサーチをしておきながら、実際には8ページぐらいの記事となる。
●第5章● おこずかいの行方
【少年マガジン 超アンケート1998年 しめきり/3月20日】
[9]こづかいについての質問
[A]キミは携帯電話やPHSを持っていますか?
(01)持っている (02)持ってない
[B]毎月のこづかいはどのくらいですか?(社会人の方は生活費以外の自由に使える金額を答えてください)
(01)千円未満 (02)千円以上3千円未満 (03)3千円以上5千円未満 (04)5千円以上1万円未満 (05)1万円以上1万5千円未満 (06)1万5千円以上2万円未満 (07)2万円以上3万円未満 (08)3万円以上
[C]前問[B]で答えたお金は次の中のどの目的にいちばん多く使いますか?
(01)飲食などの交際費 (02)漫画 (03)漫画・アニメ関連グッズ (04)漫画以外の雑誌や本 (05)着るもの・靴・時計 (06)映画 (07)デート (08)CDやビデオ (09)ゲーム (10)電話代 (11)バイク・車 (12)スポーツ (13)その他の趣味
このアンケートの主旨は、携帯電話やゲームの普及で従来マンガに使われていた「こづかい」が奪われていることを心配したものである。
携帯電話やゲームは、時間もお金も奪い去る。
そして、携帯電話やゲームで時間を潰した場合、マンガ誌は読まなくてもいい、ということになる。それらを携帯した場合、マンガ誌購読の時間を奪い、しかも娯楽性は通話相手やソフトにもよるが、マンガ誌を上回るからである。ただし、通話料やソフト代はマンガよりかなり高い。
マンガは一部でも、携帯ゲームを超える娯楽性を持ち、限りある「こづかい」を確保しなければならない。
そこで、「こづかい」の流れを分析し、どの部分をマンガに引き戻せるか、という調査になるわけだ。マンガは、マンガ以外のジャンルとも戦わねばならない。
また、お金をつかう目的のものを記事やマンガにしよう、とも考えている。
情報マンガである。
しかし、ゲームのマンガ化は先例があるが、「本格的携帯電話マンガ」というのは成立しにくいだろうけれど。
◆買い漏らし対策
おこずかいの中のあるワクをマンガが確保した・・・としても、買い漏らしされ
たら同じ事。
この対策を練るためのアンケートもちゃんとある。
【少年マガジン アンケート1998年 しめきり 1月17日】
今週号のマガジンを買った理由について質問します。
[I]今週号を買った理由を次から1つだけ選んでください。
(01)表紙をみて、いろいろ載っていてなんとなくおもしろそうだったから (02)新連載が載っていたから (03)巻頭にポスターがついていたから (04)いつも買っているから (05)その他の理由で
表紙のデザインにおいて、新連載やポスターの告知をどう盛り込むか、それが本屋や駅売店、コンビニで目立っているのかを問う内容である。雑誌にとって表紙は文字通り顔であり、重要である。
【少年マガジン アンケート1998年 しめきり 3月14日】
マガジンの購入について質問します。
[H]マガジンをつい買いそびれてしまう(買わない号ができちゃう)のは、どんな時ですか? 一番近いものを1つだけ選んでください。
(01)定期試験などテストがある時期は、つい買わないことが多い (02)(体育祭や文化祭など)学校行事の時期はつい買わないことが多い (03)(帰省や旅行で)家を留守にすると買わない (04)手持ちのお金がさびしい時はつい買わない (05)新発売のゲームやCDなど、他に欲しいものがあった時はつい買わない (06)何となく買わないことが多い
[I]キミがマガジンをよく買うようになったのは何年前からですか?
(01)今年になってから (02)去年の夏〜年末 (03)去年の前半 (04)2〜3年前から (05)もっと前から (06)今でも、たまに買う程度
売れ行きの落ち込みは、学校行事、年中行事によるものなのか、外にあるのか知ろうとするアンケートである。
毎週出るものだから、調査も大変だ。
一年間、コンスタントに物を売るのは大変なことだとわかる。

●第6章● コミックス販売戦略
連載マンガだけではなく、連載後のコミックスの収録方法もアンケートして
いる。
名作「巨人の星」正編がたった19巻程度しかないのは、今から見て驚くべきことだ。最近は人気が出ると、ページ数を増やし、番外編を出し、長期に連載をするため30巻、40巻というマンガは珍しくない。講談社も、中だるみせず買い続けていただけるよう、努力している。
【少年マガジン アンケート1997年 しめきり/7月26日】
[12]連載『金田一少年の事件簿』について質問します。
[B]キミはスペシャルファイルをまとめた『金田一少年の事件簿』初の短
編集が出たら、購入しますか?
(01)絶対に購入する (02)購入しない (03)書き下ろしポスターやおまけページなどがついていれば購入する
[13]『金田一少年の事件簿』のコミックスについて質問します。
[A]キミは『金田一』のコミックスを持っていますか?
(01)全巻そろえている (02)途中まで持っているが、最近は買わない (03)持っていない
[B]前問[A]で(02)と答えた人だけに質問します。
キミは『金田一』のコミックスを何巻ぐらいまで持っていますか?
(01)5巻ぐらいまで (02)10巻ぐらいまで (03)15巻ぐらいまで (04)20巻ぐらいまで
[C]最近『金田一』のコミックスを買わなくなった理由は何ですか?
(01)コミックスの巻数が多すぎるから (02)消費税の税率アップに伴いコミックスの価格も上がったから (03)たまたま買いそびれてしまった巻があり、そのまま何となく買わなくなった (04)毎週、放映しているTVアニメで充分だから (05)内容がマンネリになっていて飽きてしまったから
『金田一』にはもうしばらくマガジンの柱になっていてほしいので、この様なアンケートで、人気維持作戦をたてるのであろう。
コミックス一般のアンケートもある。
【少年マガジン アンケート1997年 しめきり/3月22日】
[7]マガジンのコミックス(漫画単行本)について質問します。
[A]マガジンのコミックスの中にポスターや厚紙のゲームがついた巻があるのを知っていますか?
(01)知っている (02)知らなかった
[B]ポスターや厚紙のゲームは1巻限りで、その後、つけていませんが、どう思いますか?
(01)ちょっとがっかり。また付けてほしい (02)あまり印象は変わらない (03)むしろすっきり。あまり子供っぽい付録も困る
[C]今後もコミックスにポスターや厚紙のゲームをつけてほしいと思いますか?
(01)ポスターや厚紙のゲームもばんばんつけて欲しい (02)ポスターだけ続けて欲しい (03)厚紙のゲームだけ続けて欲しい (04)むしろ表紙のデザインに力をいれてほしい (05)よくわからない
せっかく付録をつけているのが、どれだけ認知されているか知るためのアンケートである。そして、それ以外にコミックスを買い続けてもらう方策はないか探っている。私なら、壁紙や時計やスクリーンセーバーやらの入った8セン
チCD−ROMを、コミックスの付録にしてほしいが。
●第7章● アニメ対策
【少年マガジン アンケート1997年 しめきり/3月22日】
[10]アニメについて質問します。
[A]キミはTVアニメをよく観ますか?
(01)ほとんど観ない (02)毎週1〜2本観る (03)毎週3〜5本観る(04)毎週6本以上観る
[B]よく観るTVアニメを最大3つまで選んでください。
(01)赤ちゃんと僕 (02)EAT−MAN (03)ガンバリスト!駿 (04)きこちゃんすまいる (05)機動戦艦ナデシコ (06)キューティーハニーF(07)クレヨンしんちゃん (08)こちら葛飾区亀有公園前派出所 (09)こどものおもちゃ (10)地獄先生ぬ〜べ〜 (11)セイバーマリオネットJ (12)逮捕しちゃうぞ (13)ドラゴンボールGT (14)ちびまる子ちゃん (15)ハーメルンのバイオリン弾き (16)みどりのマキバオー (17)名探偵コナン (18)るろうに剣心 (19)花より男子 (20)超者ライディーン
[C]アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』をどう思いますか?
(01)とても好き (02)まあまあ好き (03)好きじゃない (04)観たことがな
い・知らない
選択肢にジャンプのマンガを原作とするアニメが5本もある。
ということで、マガジンもアニメ化戦略を考えていたのであろう。
『金田一』アニメはこのアンケートの後に放映された。
現在は『真・中華一番!』がアニメ(終了)、『GTO』が実写からアニメ化へという状況。
テレビアニメよりは、オリジナル・ビデオアニメやビデオゲームの方に力を入れている。
この点からして、このアンケートの結果が直接「テレビアニメ化」を指向させる結果ではなかったようだ。
『新世紀エヴァンゲリオン』は角川系だが、なぜかマガジンは何度も特集している。角川と何か取引があったのだろう。エヴァゲリは何度も映画館に登場したが、マガジンはその後スパッと忘れている。アンケート結果が『エヴァゲ
リ恐れるに足らず』であったと思われる。
●第8章● アンケートの果てに
このようにアンケートを眺めてきたが、少年マガジンにとってアンケートとは、
(1)新作開発、特集テーマのネタの選択
(マンガ、記事、ともに集めたネタの選択をカンに頼らない)
(2)業界動向、流行をとらえるデータ収集
(こづかい調査、単行本の調査を実施。
他誌マンガについて
の詳細なデータも集めている)
(3)連載中の激励・活を入れる。
ベテランにも手を抜かせない
(マンガ家に指導とプレッシャー)
幅広い分野にわたる調査力、またそのデータをマンガや記事に生かす組織力、すなわちマンガ家をコントロールする能力があってこそのアンケートであり、そのような組織力のない雑誌には実施できないし、実施したところでそのデータを
生かすことはできないのである。
マガジンの連載は、10〜15週に1回連載を休ませる。
そんな余裕もそこから生まれてくるのだ。
マガジンの組織力は、マンガの質をそろえた。
そしてついにジャンプを追い抜くことができた。
再び追われる立場になったが、これからどうなるのか。
とりあえず、少年マガジンのマンガを一通り読んだら、「アンケート」を読もう。それがフィニッシュ。
少年マガジン読了の総仕上げである。
【参考文献】
『【国際おたく大学】一九九八年 最前線からの研究報告』
学長 岡田斗司夫/編
四六判ソフトカバー、400ページ
定価(本体1,600円+税)ISBN4-334-97182-2
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